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第6回オンラインセミナーレポート

テーマ:「契約栽培のポイント」

概要

株式会社マルヤナギ小倉屋 商品企画マーケティング推進部 山﨑マネージャー、JAみのり 営農経済部アグリ企画課 荻野課長を講師にお招きし、大豆・もち麦を題材に、食品企業が地元農協と連携しながら契約栽培を進めてきた事例をご講演いただきました。

また、農林水産省からは補助事業である「産地連携支援緊急対策事業」の活用などを説明いたしました。

講師:商品企画マーケティング推進部 山﨑マネージャー

株式会社マルヤナギ小倉屋

セミナーの様子

質問へのご回答

参加者からの質問について回答させていただきます。

Q.01
【行政機関から】※セミナー内で回答済み
契約栽培を行うにあたって「適地適作」が重要です。協力してもらえそうな地域に対して働きかけをされるのでしょうか。それとも、栽培適地だと思われる地域に対して、働きかけをされるのでしょうか。
マルヤナギ小倉屋 山﨑様回答

大豆に関しては、産地適正と安定供給の観点から、国内でも大規模な生産体制が整っている北海道を産地に選び、長年取り組んでいます。また、有機大豆については、転換期間中大豆を買い取ることを価格と共にご提示し、参入いただきやすい環境づくりを行っています。

一方で、もち麦の産地形成は違います。当初は、大豆と同様に北海道で種子を作っていましたが、当社の主幹工場がある加東市の生産者様やJAみのり様が手を挙げてくださいました。
もち麦は、全国各地で栽培されていますが、もち麦栽培の最大のポイントは「水はけ」です。水はけを良くするための圃場づくりの講習会などは実施しますが、土壌条件が根本的に合わない場所に無理に栽培をお願いすることはありません。圃場の選定についても、生産者様、兵庫県の農業改良普及センター、JAみのり様と相談しながらになります。

Q.02
【行政機関から】※セミナー内で回答済み
新たな産地連携を進めるにあたり、まず企業側のニーズを正確に把握することが不可欠です。そのため、企業が現在抱えているニーズ、新たに産地化を進める予定、産地連携に対する意向・課題、について教えてください。
マルヤナギ小倉屋 山﨑様回答

新商品を開発する上で、原料開発は常に私たちの最重要課題です。今後も、豆、昆布、根菜、もち麦といった日本人が古くから食べてきた「伝統食材」を中心に、新たな連携を模索していくことになると思います。

原料によって、洗浄や選別の程度など、どこまで産地で可能なのかといった課題はそれぞれありますが、その中で最大の課題は、実需者と生産者の間の意識の乖離です。生産者が「育てやすさ」や「収量」を重視される傾向になるのはもちろん理解していますが、それは時として消費者が求める「おいしさ」と離れてしまうことがあります。なぜこの品種・品質が必要なのかを納得いただき、どうすればいいのかを一緒に考える必要があります。

契約栽培というのは、生産者が継続できなければ意味がありません。農業者の高齢化が進む中で、いかに持続可能な体制を産地と共に作っていくかが大切だと考えています。ひとつには、事前の全量買取のお約束と、価格提示による、参入しやすい環境づくり、そして、地域の活性と商品の販売を地元で行うことによるやりがいづくり、さらには、新規のお取り組みの可能性についての積極的なアプローチを続け、次の代に繋がるよう努力しています。

農林水産省からの補足

まず、企業側のニーズを正確に把握することについてですが、これまでオンラインセミナー等で扱ってきた産地連携の取り組みは、企業側のニーズを起点としており、その把握が非常に重要です。ニーズの把握については、行政の立場で申し上げられる点が一つあります。

行政内部には、例えば農政部と産業部のように、それぞれ担当領域が分かれているケースがあります。産地連携の場において企業と産地が協力するのと同様に、行政内部でも農業政策担当と企業政策担当の間で対話を進めることが、企業ニーズの把握に役立つのではないかと考えております。

農林水産省の施策は、基本的に農業部門を通じて広がっていくものですが、本事業では食品企業を起点とした補助事業を実施しています。そのため、本来情報を届けたい相手に必ずしも届いていない可能性もあります。私たちとしてもこの点を考慮し、同じ省内の生産振興の部局等と連携しながら事業を推進しているところです。

地方公共団体においても、農政部と産業部のような組織の分かれ方や、農政部の中でも生産振興、経営安定、土地政策の計画作成といった、守備範囲が重なる部門が複数存在することがあると思います。隣の課で、すでに企業から話を聞いていたにもかかわらず、他の部署ではその情報が共有されていない、といったことも起こり得ます。

そのため、組織内で「こんな話はあるかな」というのを探ってみることも、企業ニーズの把握に向けた有効な取り組みの一つではないかと考えております。

Q.03
【行政機関から】※セミナー内で回答済み
どのようにして生産者と企業が結びついたのでしょうか。
マルヤナギ小倉屋 山﨑様回答

今回ご紹介させていただいた大豆ともち麦では大きく異なります。
大豆は、理想を求めて生産者を探したり、紹介していただいたりして結びついたケースです。当初、「おいしい蒸し大豆」を実現するために最適な原料を探していましたが、私たちが求めるおいしさと、生産者が求める条件、つまり作りやすさには大きなギャップがありました。

特に有機大豆については、なかなか生産者を見つけられず、10年以上にわたって産地へ通い、実際に生産者と対話を重ねることで、今の信頼関係を築いてきました。有機農業を行いたい生産者を見つけにくい、有機圃場面積に限りがあり、当社向けに栽培してくれない、当社が希望する品種の栽培が受け入れられない、高齢の生産者では有機が出来ない、継続できない、と断られた、反収が上がらず、当社向けの有機栽培を辞めた生産者があった等もありましたが、継続的な信頼関係の上に、現在もギリギリの状況で何とか続けることができています。

もち麦については、地元との繋がりです。海外産原料が主流でしたが、国産化を目指していた際、当社の主幹工場がある兵庫県加東市のJAみのり様や生産者様が手を挙げてくれました。生産者様からは「JAに納めるだけでなく、地元の企業で何の商品になっているか見えるのが嬉しい」という声をいただいています。

Q.04
【食品事業者様から】※セミナー内で回答済み
生産者様、JA様、マルヤナギ小倉屋様はどのようにして連携をとっているのでしょうか。
また、高齢化、生産者人口の縮小等の課題に対してどのように取り組まれているのでしょうか。
マルヤナギ小倉屋 山﨑様回答

大豆、特に有機大豆については、手間がかかったり収量が上がらなかったりで辞めたいと言われることがあります。また、ご高齢になると、子どもは継がないと引退したいと言われることもあります。どのように課題に取り組んでいるかというと、本当に草の根活動になってしまうのですが、生産者と対話を続け関係性を作っていくことと、新たに協力いただける方を探し、やりがいを感じていただけるよう伝え続けるということしかありません。生産者との関係づくりが最も大切だと感じています。

もち麦については、兵庫県加東市においては、生産者・JAみのり・兵庫県北播磨県民局・加東市・マルヤナギで「加東市もち麦活用協議会」を組織しています。単なる栽培の相談だけでなく、「特産品化」「地域活性」「地域住民の健康増進」についても、丸7年にわたり定例的に協議を重ねています。各組織から担当者が集まり、食育授業、地域のイベント実施まで共同で行っています。

栽培期間中は、JAや普及センターの普及員の方々による「定点観測」が行われますが、私たちメーカーの担当者もこれに同行させていただきます。北播磨地域は営農組合での栽培が中心であるため、組合ごとに収穫物を確認し、フィードバックも当社で行っています。具体的には、入荷の際に営農組合毎にランダムに抜き取りを行い、それをJAみのり様経由でいただき、マルヤナギ担当者が粒の色やサイズを確認したり、混入している他の植物の種子等がないかを確認したりしています。そのサンプルから、収穫時期や肥料の程度、雑草が生えていたか等をJAみのり様や加西農業改良普及センターの普及員の方と共にすり合わせを行い、生産者大会にて気を付けてほしいことなどの共有をさせていただいております。

農業者の高齢化や人口縮小は現在進行形の深刻な課題です。生産者や新規で生産者になっていただけそうな方々と対話を繰り返すことで、持続可能な形を模索しています。

Q.05
【食品事業者様から】※セミナー内で回答済み
品種選定、栽培方法の確立など、食品事業者側が具体的にどこまで関与して取組みをされているのでしょうか。
マルヤナギ小倉屋 山﨑様回答

品種選定については、「おいしさ」を基準とした品種の選定を行っています。大豆は、蒸した時に栗のようにホクホクとした甘みが強く、ショ糖含有量が多い「トヨムスメ」などの品種を選定しています 。もち麦は、炊飯しても褐変せず、もっちりプチプチした食感が特長の「キラリモチ」という品種に特化し、産地化を進めています 。また、βグルカン量が従来種より多いことも特徴ですが、多すぎると食味の点で私たちの目指すものとは異なったため、食味を重視して選定しました。

栽培方法についてですが、大豆は、個人の生産者様と契約していることが多いため、栽培方法はある程度確立されておりますので、どちらかというと、私たちが作ってほしい品種がいかに蒸し大豆にしたときにおいしいか、蒸し大豆の健康価値がどんなに素晴らしいかを知っていただき、共感いただくことを重視しています。また、収穫物の品質評価はロット毎に行い、フィードバックを行っています。

もち麦については、「農業振興」が加東市もち麦活用協議会のテーマの1つになっていますので、播種後、月1回ペースで圃場の定点観測を実施し、JAや農業改良普及センターの普及員の方々と共に生育状況を確認します。播種前には「栽培ごよみ」を作りますし、定期的に「キラリモチ情報」を発信し、生産者間の意識共有を図っています。圃場を順に生産者と回る、圃場巡回もしています。品質評価とフィードバックも行っています。

「加東市もち麦活用協議会」は、当社が加東市との連携協定の主旨である、もち麦を活用した「農業振興」「地域活性」「健康増進」を達成するための実務部隊でもありますので、立ち上げ時から深く栽培に関与しています。

このほかの質問につきましては、現在掲載内容を調整しております。なお、質問の内容によっては、個別に回答させていただく場合がございます。

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