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第5回オンラインセミナーレポート

テーマ:「気候に合わせた産地開発」

概要

キユーピー株式会社 生産本部原資材調達部 白石氏、くにみ農産加工有限会社 代表取締役 吉丸氏、JAおおいた 東部事業部野菜加工部会 部会長 石川氏の3名を講師にお招きし、大分県国見町における露地栽培のバジル産地開発に至るまでの取組から、気候適性を見極めた産地選定とメーカーと産地との長期的なパートナーシップ構築についてご講演いただきました。
(左から)キユーピー 白石氏、くにみ農産加工 吉丸代表取締役、JAおおいた 東部事業部野菜加工部会 石川部会長

セミナーの様子

質問へのご回答

参加者からの質問について回答させていただきます。

Q.01
【食品事業者様から】※セミナー内で回答済み
産地開発で直面した課題と、それをどのように乗り越えたのか教えてください。また、現地農家との協働や技術支援はどのように進めているでしょうか?
くにみ農産加工 吉丸様回答

バジルペーストの品質「世界一」を掲げ、国際的に要求される説明責任にも応えられるようになるべきと考え、その仕組みをKUNIMIXCLOUDという形で構築したわけですが、その根底には、生産の起点である畑の段階には、マーケティング理論や、KGIといった指標がそもそも存在せず、そこを埋めるための仕組みをくにみ農産加工として用意する必要があると考えるに至ったためです。

以前は、お客様からの異物クレームは毎年6件ほど、廃棄も年間500万円程度発生していましたが、現在は、お客様からの異物クレームは13年連続でゼロ、廃棄も10万円程度に激減しました。農家納品品位の秀品率は、目標(KGI)の75%を大きく上回る99%に達しています。

高品位で異物がない商品づくりを、農家と目標を共有しながら進めてきており、産地拡大に向けて、小規模の頃よりリスク低減に努めてきました。他の誰も出来ないからこそ価値があり、それをクリアできたので、KGIも達成できるようになりました。

農家の方々に対しては、「納品先は弊社(くにみ農産加工)であっても、その先には消費者の存在があり、彼らを満足させることが、畑に仕事を戻してくれる」と伝え、そのことを意識した取組の積み重ねにより、畑の現場を起点にしたマーケティングについて考えることが少しずつできるようになりました。技術面や気候条件等に関する課題解決は、皆で楽しみながら趣味のように行っていますが、掲げるパーパスや目標は、くにみ農産加工がしっかりと責任を持ち、担当従業員とも共有することで、スムーズに事業を進められていると思っています。

Q.02
【農業法人・種苗会社様から】※セミナー内で回答済み
どのようにして、気候に合わせた品種を選定していくのでしょうか。
「気候に合わせた産地開発」とは品種戦略なのでしょうか。栽培のコントロールなのでしょうか。
くにみ農産加工 吉丸様回答

気候に合わせた産地開発については、品種の組み合わせと栽培コントロールの両面から取り組んでいます。バジル種子はマイナー作物であるため、自力で適正を調べて選ぶ必要があります。

まずは提供された種子を、1年目は無機質の砂栽培ハウスで試験栽培することで、病原体に感染しないかを調べ、そこで選抜された種子を2年目に工場横の試験圃場(灌水チューブで栽培)で在来種と共に植えることで比較し、導入の可否を判断します。こうして2年かけて試験を行うことで、その土地での品種特性を把握し、栽培農家とも情報を共有した上で、最終的には農家の皆様が自由に選択できるようにしています。

また、種子や苗の提供にあたっては、加工品としての「おいしさ」も事前に確認した上で最終選定を行っているので、基本的には、それらの種子や苗のみを農家に使用いただくことを契約条件としています。

Q.03
【食品事業者様から】※セミナー内で回答済み
四季から二季化が進んでいますが、栽培面ではどのような対策をしているでしょうか。
くにみ農産加工 吉丸様回答

露地栽培の場合は、天候はコントロールできないため、まずはその地域に適合する作物を探し、そこで生産を拡大していくにあたって、価値が生み出していけるか、将来的に機械化が可能かといった点を想定しながら進めています。その考えで、品種を選抜し、最適な栽培条件をデータから編み出し、産地を広げています。

Q.04
【食品事業者・商社・金融機関様から】※セミナー内で回答済み
国産原材料は天候の影響を大きく受けやすく、安定供給が困難なため、BCPの観点から多くの産地を確保する必要があると思います。品質を一定に保つことも難しいです。どのようなリスク分析と対策を行っているのでしょうか。
気候変動・猛暑による影響はあるでしょうか。
くにみ農産加工 吉丸様回答

バジルは夏の作物であることから、国内産地を拡大する場合は、温暖で年間降雨量が少ない場所を探しますが、輸送時の揺れにより原料品位の低下が発生するので、九州内に産地を限定し、チャーター便で各地から集荷しています。

したがって、九州の外で新たな産地を作る場合は、工場をまず作り、その周りに産地を形成して行く必要がありますが、全量買い上げのリスクを負いつつ、産地育成を兼ねることのできる会社でなければ、同じ品位は保てないと思います。

バジルは原産地がアフリカなので、温暖化による高温の影響については問題ありませんが、台風対策が必要です。そのため、背丈を低くするための剪定と品種の導入を進め、今後は基盤整備を行い、洪水に対応できるように進めています。

また、毎年の収穫量グラフを比較し、極端な増減を抑えながら、安定収穫できる方法を農家とともに編み出してきました。その結果、各シーズン終了の2カ月前には、精度の高い収量予測ができるようになり、早めにキユーピー様との交渉ができるようになったので、毎年全量買い付けを維持できています。

Q.05
【食品事業者・商社・金融機関様から】※セミナー内で回答済み
契約価格が市場価格に比べて大幅に不利になっていく場合はどの様に対処しますか?
生産コストが増大し、契約栽培を続けることが経済的に不利になる場合はどの様に対処しますか?
くにみ農産加工 吉丸様回答

現在は、契約栽培ではなく、委託栽培の方式を採用しています。種子の限定やKUNIMIXCLOUDの使用など制約はありますが、農家ごとに個別に契約を締結し、金額に納得いただけない場合は、辞退いただく運用としています。ただし、くにみ農産加工の試験圃場でも栽培を行っているため、栽培に要する経費はおおむね理解出来ていることから、納得感のある金額を提示できていると思っています。

露地栽培ではコストの大半が人件費なので、青果用にパック詰めを行えば単価は高くなりますが、シーズントータルでの収益性を確保するという観点では、個選別が不要で、ハウス栽培の減価償却などの経費がかからない加工用の方が、継続的な農業といえるという理解を農家と共有しています。

このほかの質問につきましては、現在掲載内容を調整しております。なお、質問の内容によっては、個別に回答させていただく場合がございます。

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