イベント・セミナー情報
第2回オンラインセミナーレポート
テーマ:「農業経営の改善」

概要
第1部では、一般社団法人農業利益創造研究所 平石武理事長から、簿記データから分析した農業経営の概況、生産者の経営診断に基づいた経営改善方法の選択、その手法としての連携などについて解説をいただきました。
第2部では、産地連携に取り組む生産者の事例として、有限会社グリーン 平石博会長より、加工用米をメインとした「産地連携経営」のポイントをテーマに、ご講演をいただきました。

一般社団法人 農業利益創造研究所
セミナーの様子




質問へのご回答
参加者からの質問について回答させていただきます。
農業経営の改善は「売上の向上」「経費の削減」が基本だと思いますが、一般企業とは異なり、天候という不確実な要素が経営に影響を与えます。生産者は「改善」についてどのように捉えたらよいでしょうか?
生産者が改善した具体事例があれば教えてください。
農業利益創造研究所 平石理事長回答
もちろん、農業は天候に左右される産業です。
よって、農林水産省は 収入保険という制度を用意していて、その保険に加入すると、農産物の販売金額が例年より少なかった際は、保険で補てんされます。
ただ、農家の方も、保険に頼るだけでなく、ちゃんと天候について考えています。例えば稲作であれば春先に低温になった時は、水田に水を多く入れて寒さを避けてます。猛暑に対応するために、暑さに強い品種に変えたり、植え付けの時期をずらしたりして、天候変動に対応する工夫を行っています。
農林水産省回答
補足として収入保険について触れさせていただくと、全ての農産物を対象として、生産者の経営努力ではどうにもならないという部分、収入の減少について、補填を図るというものです。契約内容等、種々の条件にもよりますが、収入の減少の9割までを上限として補填をするという制度です。詳しくは、お近くの農業共済組合等までお問い合わせいただければと思います。
また、暑さに強い品種への切り替えといった対応も重要ですし、そのような判断を適切に行うためにも、平時から経営の数値的な部分の把握に普段から努めることが重要であると考えています。
データ分析は、本当に利益を生むのでしょうか。
地球温暖化が進行し、作物への影響が顕著となる中、過去のデータは活用できるのでしょうか。
農業利益創造研究所 平石理事長回答
農業には、気象、市況、栽培、ほ場、経営、など様々なデータがあります。確かに、多くのデータの中で気象と栽培に関する 過去のデータは「そのまま使う」ことは難しくなってきていると思いますが、 まったく「使えなくなった」わけではありません。
過去に気温が高い年があれば、その時のデータは参考になります。
また、データがあれば、「変化の方向性を把握するため」に有効だと思います。気候を考慮して、栽培方法を変えたり、品種を変えたり、何かしらの改善をするときの方向づけになると思います。
農林水産省回答
地域や品目によって状況は異なりますが、同一データを経年的に追うことは非常に重要です。どのくらい利益が出ているのかということを把握するために、経営状況を見つめることが基本ではないかなと思います。
近年の資材高騰対策について事例などありましたら、教えてください。
農業利益創造研究所 平石理事長回答
農業資材の価格指数を調べると、2020年の価格を100として、現在の価格指数は、肥料は142、燃料は132、飼料は135になりました。
農業簿記のデータを分析したところ、例えば稲作経営では、肥料費の費用額が最高になったのは2023年でしたが、2024年には10%ほど費用が減りました。
農家の方にいろいろ話を聞く中で、肥料費削減するために、近所の畜産農家から堆肥をもらい活用するようになった、ほ場の土壌診断を多く行い、衛星からの情報も活用し、ほ場の中でピンポイントに必要な量の肥料を施肥するようにした、など工夫をした成果だと思われます。
飼料に関しては、稲作農家から稲わらをもらったり、空いてる土地に牧草を植えて飼料にしたり、と工夫しています。
やはり、良い経営者と言うのは、自分の経営を把握し、困ったことがあると工夫して改善していくのだと思います。
農林水産省回答
(平石理事長の回答を受けて)
今の堆肥ということにつきましては、例えば、従来からよく言われているところですが、耕種農業と畜産の連携、いわゆる耕畜連携の重要性は認識されてきたかと思われますが、農業の現場では、成分が把握しやすく扱いが容易な化成肥料に頼ってしまうのは仕方のないことだったかと思います。
しかし、最近では、輸入肥料の価格が上がったことでその代替ということもありますが、土壌の改良という観点からも、堆肥の重要性が改めて見直されてきており、また堆肥と化成肥料の混合肥料の開発も進んでいるところです。
今後は、土壌診断等のツールも活用しながら、経営全体の改善という観点から、周囲の力も借りつつ取組を進めていただければと思います。
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